表紙は何とも、軽いライトノベルな今どきの想定で 買うときは悩みました。
ライトノベルは 漫画がほぼ、文章化しただけな感じで 何冊読んでも、あまり好きになれない。
でも 平安恋愛絵巻の文字に そそられて 書店で 戻した本を取り直して 購入。
当たりでした。
確かに、今どきのライトノベル、源氏物語の現代訳もいくつもよみましたが 、こちらは源氏ではないが ぶっ飛び、今風平安絵巻。
確かに。
でも、汀凝るものと、おっしゃる、著者の、センスが 洗練されている。
平安の正しい、名刺につけた今時読み仮名に始まり、 世紀を超えて当ててる文章が まことにぴったりきて スムースな 読み口語り口。
せんだって紫式部日記が漫画になって今風に語っているという話も 放映されていましたが、こちらだって、負けてはいない。
逆に、ライトノベルなだけに、さらっと、軽妙洒脱な 文章を楽しめるような気がします。
人物の設定もたしかにあるある。
恐竜だって1万年もあんなようなままでしたし 人類だって1000年くらいじゃそうは変わらない。
服装や文化は変わっても、中身の感性や なやみだって そうは変わらない。そこが うまく、平安に当てはめても共感できるし、とおい感じにならずに読めます。
歴史ものの平安時代ものが好きなのですが小説でもなんでも、比較的少ない、この分野。
源氏物語ばかりが でまわって、種類いろいろ読みましたが、読めば読むほど光源氏が ヤな奴で きらいになってしまいます。
自分勝手に女子多数を たぶらかし、位が高いのをいいことに、 いいめをみて 長生きまでしてしまって。
五位鷺の”の 姫君は 自分で かんがえたい思いをもっている、 人は運命にいたずらされて、普通な人生からはなれてしまうと、 自分で考え始める必要があるということを 思い出します。
平安よりも今は 自分で考える女子はふえているけれど、 浅はかな、男子に さえぎられることもあるでしょう、それが 見目麗しき男子だったりすることも?
そんなに、奥深くはないけれど、十二単でもワンピでも中身は 変わらない女子の世界。さらっと楽しめますし、本当に言葉選びにうんうんとなりますよ。
サイドの稚児や 兄など、魅力的な 人も多いです。
ぜひ続きを書いてほしいと思います。
平安ノベルの流行がほしいです。