モンテッソーリの名前を久しぶりに ききました。
先ごろ マスコミで 大賑わいだった 天才プロ将棋の 藤井4段が 浮けた教育で ビルゲイツとか元アメリカ大統領の オバマさんなども受けたとか 記事になっていましたね。
最近のものではないのです。
もう50過ぎになる私の妹も モンテッソーリの子供の家に通っていました。
そちらの子供の家の園長先生をしていらした 松本先生が 若いころ イタリアに声楽の勉強に行って イタリアで行われていた モンテッソーリの幼児教育に 出会い、そちらを持ち帰って 始められたと聞いています。
妹が入ったころできたばかりの様でしたが わたしは 忙しい小学生で よく知りませんでした。
教育法自体は ほかの幼稚園などでも 取り入れていたようですが 本格的な子供の家は 他とは違います。
詳しい情報は たくさん 出回っているようですが 説明はしませんが
子供主体のしたいことを 優先して過ごし、みんなでそろってやることを強制しない、ユニークなところです。
妹の時代は とても混んでいたそうで 母の勧めで 長男が生まれて直ぐに予約のお電話をして そんなに急がなくとも大丈夫ですよと言っていただきました。
基本の3年間の幼稚園のほかに ひよこさんという 2歳児が 週1回通うクラスもありました。
どちらにしても 入園式もなく 遊びに行くように はいって 嫌がる子は 母が付き添い、平気な子供は そのまま つづけて 時間に なったら 迎えにいきます。
モンテッソーリの 教材が 適切に並べられている 室内で したいことがあったら、 わからない子供は ほかの子供に教えてもらっても 良いし 火を使ったり
包丁で切ったりすることは 大人が 見守ります、先生は 専門の講習を受けていて、子供のすることを手伝ってくれますが 極力手を出しません。
行けないことをしていても大きな声で 止めたりせずに 小さい声で 注意します。
体操の先生や 音楽などもしていましたが 自由参加なので したくない子供は 見ています。子供によっては ”3年間 砂場で 毎日穴を掘っていたわ。”と卒園時におっしゃるお母様もいたほど。
制服もなく 本人が着たいもので登園すればOK.
シャーリーテンプルのドレスを毎日来ているお嬢さんも 一年中半袖短パンの子もいました。
お弁当も 本人が食べきれる好きなものを 開け閉めの簡単な お弁当箱に 入れてくださいと言われます。
おにぎりなら一口大でと。
園の中は もちろん 全て子供仕様。
水差しからお掃除道具から そろう限り全部 子供のサイズに合わせられていました。
土曜、日曜祭日が休みで 水曜は半日。
延長保育などはありません。
家で 過ごすことも大事にしていますので 親向けの講習会もあります。
月に1回は 保護者会もあります。
お仕事といわれる作業は モンテッソーリの提唱する いわゆる敏感期という 子供にさせる時期に合わせて 行わせ宇野は良いとされているのですが 早めにしたがっても 止めません。
面白いこと挑戦しても 時期が来ないとうまくできなくて 自分であきらめるらしいのです。
大きな声で 騒いだり 人の邪魔をして利する子どもは あまり見かけません。
先生にとても 余裕があったのではないかとおもいますが 大人は マジックミラーの後ろからこっそり のぞくのが 基本なので 結構謎です。
よほど 離れられないお子さんだけが 親が付き添って入っていました。
うちの子供は 上も下も 子供の家が大好きで ”いうこと聞かない子は つれていかない”と 言って聞かせるほどだったので、本人の話と 連絡帳の お話だけしか分かりません。
ですが、少人数なせいもあるとおもいますが みんな 穏やかにあそんでいましたね。
だれでも したいことは 熱心にやりますから 自然、集中力は尽きます、したいことがない子は ほかの子のしてることを見ているだけでも良いので せかされたりせずに過ごせます。
ちなみに うちの妹は ウサギっが大好きで 飼われていたウサギを ずっと抱っこしていたり お絵かきで ウサギを書いたりしていたそうです。
とてもシャイな人だったので 私立の小学校でも 慣れるまで時間がかかったそうですが、 きちんと座っていられる子だったと聞いています。
結果、妹は 50過ぎ、うちの子供は 30も過ぎて モンテッソーリ的にいう 24歳より上の 大人になっていますが どうだったか。
本人の資質もいろいろあるとは思いますが どちらにしても 時分の事を自分で決められる人にはなっていますね。
やはり、個性的ではありましたので 学校では いじめられたことも ありましたから いじめられない良い子になるとかではないと思います。
上の子は 小学校の低学年のとき、 ”かけっこは みんなが 自分で出せる速さで走って ゴールすればいいんだよね”と いったくらい 競争心の薄い人で どちらかといえば 誰でも 受け入れる、でも 自分の考えはもっていて 妥協はしないという感じ。
アメリカのハーバードの教授が 学者の数だけ学説があるといったそうですが そんな感じ、おおきくなっても 争いの嫌いなタイプでした。
そして 企画力があるので イベント小僧といわれていました。
下の子は女子ですが 全然、女子っぽくないタイプ。
みんなで そろって何かするのは 嫌いだし、やはり自分で自分のことは仕切る、人には干渉しないという感じ。
年下の面倒見が良い人で 今は 動物医療の仕事をしています。
二人とも 高校までは こちらが 手引きしましたが それからの進路は 全部自分たちで決めていました。二人とも好きな科目と大学を自分で選んで 海外で卒業しました。
親は楽させてもらいました。経済的援助以外は 自主でやってくれていましたからね。
幼稚園がすべて この原点とは言いませんが 小さいころの 成長スピードの速いころの教育は ねっこをしっかりおろすと いわれています。
こちらの 園は 入園の支度もとても大変。
絵本袋や 着替えを入れる巾着、お弁当を入れる袋も こどもが 扱う袋類は 全部、縫い代が出ていると使いにくいので 裏地付きで仕立てます。
園内で使う 雑巾は 子供の手に合わせた厚さと大きさの指定があって そのうえ
種類をわかりやすくするために 花と動物の刺繍をそれぞれして 幾枚かつくります。他にもはく靴は 全て左右がわかるように マークを付けますし、通うときに使うかばんも 子供がお弁当箱を出し入れするときに やりやすいように 全開に開けられるものを選ぶとか、下着の前がわかるように印をつけるとか。
入園がきまると 説明会で どっさり 資料がやってきます。
そして 私のころは 専業主婦の母親がほとんどで 皆自分で作って用意していました。
延長保育がないので 3時前後には 迎えに来なくてはなりませんし、 時には 突然、帰りたくなった子は 連絡がきて 迎えに行った人もいます。
すべてが 子供本位になっていますから 日本のように 延長保育で働く キャリアウーマンの方たちには むずかしいかもしれません。
でも 個性をとても大事に 丁寧に育ててもらえる教育法と私は 思っています。
藤井さんが 高校行きたくないといっているそうですが さもありなんという感じはしますね。
出る釘は 打たれる式の横並びの生活は 合わないのでしょう。
海外の有名な人が うけていたのだって 海外では個性が尊重されてよしとされるからです。
藤井さんにあこがれて モンテッソーリに行かれるなら 親は覚悟が必要です。
モンテッソーリは 24歳までは 教育が必要としています、それは 学校の机の上の勉強だけではなく 本人の感性や個性を育てるものなので 今の学校まかせではできないものなのです。
日本の 今の公教育では まだ追いついていないのではと 感じます。
どこでも モンテッソーリの教育で できれば もっと ゆったりした子供が 増えるかもしれません。
残念なことに 松本先生の子供の家は 数年前に閉園されました。
親は皆 外で 活躍することを期待されている今日この頃。
未来に向かっての資産である 子供の教育にもっと大人が時間投資できるような 世の中になるといいのにと 思います。
公教育が きちんと考え直されるのでももちろん 歓迎ですけれど。